ユニバーサルアルミ角管の紹介 

1. アルミニウム合金の概要

 アルミニウム合金は、現代産業において極めて重要な材料です。アルミニウムを主成分とし、銅、マグネシウム、シリコン、マンガン、亜鉛などの元素が特定の割合で添加され、様々な特性を向上させています。これらの添加元素により、アルミニウム合金は強度、硬度、耐食性、耐熱性といった特性が向上しますが、これらは純アルミニウムでは顕著ではありません。

 アルミニウム合金は、その優れた総合特性により、様々な分野で広く使用されています。軽量でありながら強度も高いため、構造の完全性を維持しながら軽量化が求められる用途に最適です。

 2. 角管用アルミニウム合金押出プロセス

 2.1 原材料の準備

 アルミニウム合金角管の製造における最初のステップは、原材料の選定と準備です。最終製品の具体的な要件に基づいて、高品質のアルミニウム合金インゴットが選定されます。これらのインゴットは通常、合金組成に応じて660～700℃程度の高温で炉内で溶解されます。溶解工程では、溶融アルミニウム中の不純物や気泡を除去するために、温度を厳密に管理し、適切な精錬剤を添加する必要があります。これにより、溶融合金の純度と品質が確保されます。

 2.2 押出ダイの準備

 原料が準備できたら、押出ダイスを準備します。アルミニウム合金角管用押出ダイスは、所望の断面形状とサイズに合わせて特別に設計されます。通常、高強度・耐熱工具鋼で作られています。ダイスは精密に機械加工され、角管の内外面が要求される寸法精度と表面仕上げ基準を満たすようにする必要があります。使用前に、ダイスは適切な温度、通常400～500℃に加熱され、溶融アルミニウム合金がスムーズにダイス内を流れます。

 2.3 押出プロセス

溶融したアルミニウム合金は、押出プレス機に送られます。押出プレス機では、アルミニウム合金がラムによってダイスに押し出されます。押出時に加えられる圧力は、合金の種類と角管のサイズに応じて、数百トンから数千トンに及びます。アルミニウム合金がダイスを通過すると、角管の形状が形成されます。押出速度も慎重に制御する必要があります。速度が速すぎると、肉厚の不均一や表面欠陥につながる可能性があり、速度が遅すぎると生産効率が低下します。一般的に、アルミニウム合金角管の押出速度は毎分0.5～5メートルの範囲です。

 2.4 押出後の処理

 押出成形後、アルミニウム合金角管は多くの場合、熱間成形された状態にあります。合金の特性とその後の加工要件に応じて、通常は空冷または水冷によって冷却する必要があります。冷却は角管の機械的特性に影響を与えるため、非常に重要です。冷却後、押出成形と冷却中に生じた曲がりや反りを修正するために、管の矯正加工が行われる場合があります。これは通常、機械式矯正装置を用いて行われます。

 3. アルミニウム合金角管の用途

 3.1 建設業界

建設業界では、アルミニウム合金角管が非常に人気があり、カーテンウォールの骨組みに使用されています。軽量であることから建物への負荷を軽減し、優れた耐食性により、特に沿岸部や湿度の高い地域において長期的な耐久性を確保します。アルミニウム合金角管は、間仕切り枠、手すり構造、天井キールなどの内装材にも広く使用されています。多様な表面処理オプションにより、モダンでミニマルなスタイルから、より華やかでクラシックなスタイルまで、様々なインテリアデザインスタイルにマッチします。

 3.2 運輸業界

 輸送業界において、アルミニウム合金角管は極めて重要な役割を果たしています。自動車分野では、車体フレーム、バンパー、内装構造部品の製造に使用されています。軽量であることから車両総重量の軽減に役立ち、燃費向上と排出量削減に貢献しています。軽量化が最重要課題となる航空宇宙業界では、航空機の胴体構造、翼部品、内部支持フレームなどにアルミニウム合金角管が使用されています。高い強度対重量比は、航空宇宙用途の厳しい要件を満たしています。

3.3 機械装置の製造

 アルミニウム合金角管は、機械・装置の製造にも広く利用されています。工作機械、ロボットアーム、搬送システムなどのフレーム構造部材として、産業機械に広く使用されています。耐食性に優れているため、食品加工機械や化学装置など、湿気や腐食性物質にさらされる環境でも使用できます。

3.4 家具および装飾品

家具・装飾品業界では、アルミニウム合金角管がモダンでスタイリッシュな家具の製作に用いられています。テーブルや椅子の脚、キャビネットのフレーム、装飾スクリーンの部材などとして用いられます。様々な形状に容易に成形でき、陽極酸化処理から粉体塗装まで幅広い表面仕上げに対応しているため、デザイナーは独創的で美しい製品を生み出すことができます。

 4. アルミニウム合金角管の表面処理方法

4.1 陽極酸化処理

陽極酸化処理は、アルミニウム合金角管の最も一般的な表面処理方法の一つです。この処理では、アルミニウム合金を電解液（通常は硫酸）に浸し、電流を流します。これにより、アルミニウム合金の表面に厚い多孔質の酸化層が形成されます。陽極酸化層の厚さは制御可能で、通常は5～25マイクロメートルの範囲です。陽極酸化層は、アルミニウム合金角管の耐食性を大幅に向上させるだけでなく、その後の着色のための良好な下地となります。陽極酸化処理では、有機染料や無機顔料などの様々な着色剤を使用することで、さまざまな色を実現できます。

4.2 粉体塗装

粉体塗装は、もう一つの一般的な表面処理方法です。このプロセスでは、乾燥した粉体塗料をアルミニウム合金角管の表面に静電噴霧します。粉体粒子は静電気によって表面に吸着されます。噴霧後、塗装された角管はオーブンで通常180～220℃程度の温度に加熱されます。加熱中に粉体は溶融、流動、硬化し、連続的で硬く耐久性のある塗膜を形成します。粉体塗装は、滑らかな仕上げからテクスチャ仕上げまで、幅広い色と質感を提供します。優れた耐腐食性、耐摩耗性、耐候性を備え、屋内外での用途に適しています。

 4.3 電気泳動コーティング

電気泳動コーティングは、アルミニウム合金角管を電気泳動塗料槽に浸漬し、電界を印加するプロセスです。塗料粒子は電界の影響下で角管の表面に析出します。この方法により、均一で薄いコーティング層が形成され、通常10～30マイクロメートルの範囲になります。電気泳動コーティングは優れた耐食性と滑らかで光沢のある表面仕上げを実現します。高級家具や装飾品など、高品質で美しい表面仕上げが求められる用途でよく使用されます。

4.4 木目転写印刷

木目転写印刷は、アルミニウム合金角管に木の質感を与える表面処理方法です。まず、角管の表面に下地処理を施します。次に、木目模様の転写フィルムを表面に置き、加圧加熱します。木目模様がフィルムからアルミニウム合金の表面に転写されます。この処理は、木の質感を美しく見せるだけでなく、強度や耐腐食性など、アルミニウム合金の利点も維持します。温かみのある自然な外観を作り出すため、内装や家具製造において広く利用されています。

結論として、アルミニウム合金角管は、アルミニウム合金プロファイルの重要な一種として、幅広い用途と様々な高度な製造プロセスおよび表面処理プロセスを備えています。その独自の特性により、現代の産業と日常生活に欠かせないものとなっています。